2018年09月一覧

夏休み活動報告⑤ 第11回元気塾ユニオンハート 8/07〜8/08

「元気塾ユニオンハート」は被災地から避難して札幌及び近郊で暮らしている子どもたちへの学習支援活動です。
札幌地区連合会はじめ多くの方達からの応援をいただきながら、2013年から札幌市教職員組合の有志の先生たちと年に2回夏休みと冬休みに実施してきました。

<1日目> 8月7日(火)10時~15時
会場: かでる2.7 1030会議室
参加: 小学生6名 中学生5名 計11名(病欠3名)
ボランティアの先生14名  スタッフ4名

元気塾では最年長のKくんが3月に高校を卒業し、高校2年生のHさんは7月に1年間のアメリカ留学に旅立ちました。
第11回目となるこの夏はかわいらしい小学1年生が二人新たに加わりました。

これまでずっと「札幌エルプラザ」を会場としてきた元気塾ですが、今回は日程と会場の空き状況が折り合わず、はじめて「かでる2.7」での開催となりました。10階の眺めの良い会場の窓からは北大植物園の大きな木々が見下ろせます。
早目に到着した子どもたちは一緒に会場準備を手伝いますが、廊下の看板や先生たちの控え室は子どもたちが担当します。

開始の10時を前に、参加の子どもたちやボランティアの先生たちが到着しはじめ、冬の元気塾以来久しぶりのにぎやかな再会となりました。伸び盛りの子どもたちはこの半年間でずいぶん大きくなっていました。

いつも心のこもった手作りおやつを直接届けて下さる札幌友の会のみなさんも加わりながら、初日の「朝の会」では一人ずつ全員で自己紹介。子どもたちは自分がどんな勉強をしたいのかも先生たちに伝えました。

午前の勉強タイムが始まり、夏休みの宿題を中心に小学1年生から中学3年生まで、全員が1対1で先生にじっくり教わりながら、2時間という長い時間集中して勉強を進めます。トイレ以外に席を立つ子はいませんし、低学年の子も感心するくらいの集中力でお昼ごはんの時間までがあっという間です。

机を並べ替え、小学生、中学生、先生とスタッフがみんな並んでのお昼ごはんは、冬からの半年間のできごとや、夏休みの自由研究についてなどおしゃべりを楽しむ時間でもあります。

実は今回、お昼ごはんを食べたあとの休み時間を子どもたちはどう過ごすか、ということが少し心配でした。
エルプラザでは元気塾会場の隣りが「環境プラザ」となっているので、子どもたちはそのスペースで体を伸ばし、午後の開始時間まで遊ぶのが恒例でしたが、今回の「かでる2.7」は会場内で過ごさなくてはなりません。退屈してしまわないかな、午後の勉強タイムまでの気分転換がうまくできるかな、と思っていたのですが心配はいりませんでした。勉強用にメモや計算用紙として置いてあった紙で誰かが紙飛行機を作って飛ばし始めると、先生がよく飛ぶ飛行機を作るコツを教えてくれて、いつの間にか室内はたくさんの紙飛行機がスイスイ飛びまわるようになっていました。

いつも通り、午後のはじめの1時間にみんなしっかり勉強すると、残りの1時間はこれも恒例の「お楽しみタイム」です。
今回のお楽しみは、折りたたんでいくとそれぞれ4つずつある色のマスが一面に合わさるという紙のパズルでした。参加生は小学1年生から中学3年生までと幅広いのですが、こういうパズルは学年に関わらず楽しめるので、教えたり教えられたりしながら、8色あるパターンが全て完成。
準備と指導をして下さった先生も、「本当に8パターンがそろえられるということを、僕も初めてこの目で見ました」とニッコリ。

こうして1日目は順調に終わりとなりましたが、「帰りの会」でお迎えにきた保護者の方から、「震災と原発事故から7年が経ち、震災の年に生まれたうちの子どももこの春小学校に上がり、ようやく小学生向けのプログラムに参加できるようになりました。年々避難者への支援が少なくなっていく中、このように活動を続けて下さる団体があるということをとてもありがたく思います。」とのお話をいただきました。長い時間が経っても、支援を必要としている方々の状況はさほど変わっていないということを改めて強く感じさせられました。

<2日目> 8月8日(水)10時~15時
会場:かでる2.7 1030会議室
参加:小学生6名  中学生4名  計10名 (病欠2名)
OB1名   ボランティアの先生10名  スタッフ4名

この日のスペシャル参加は、この春高校を卒業したKくんでした。卒業後の毎日を充実して過ごしていることがひと目でわかる、さっぱりとした明るい表情でした。今回は「教える側」として来てくれたKくんは、前回まで一緒に勉強していた中学生たちの向かい側に座って勉強を教えてくれたり、中学生にとってはまだまだイメージのつかない「社会生活」についても話をしてくれたようでした。

午後の勉強タイム前にKくんにお願いして春からどんな仕事をしているのかみんなの前でもお話をしてもらいました。
Kくんは3月に高校を卒業して地元の病院で病棟クラークとして働きはじめたということでした。医師や看護師が患者さんの治療に専念できるよう、病室やベッドの環境を整えたり、入院患者さんのその日の予定をコンピューターで管理をしたり、事務処理上必要な書類を作成するのが主な仕事の内容だそうです。一緒に働くスタッフにも恵まれて、今年1年は現場で色々経験し、来年からは働きながら資格取得のための勉強をしてはどうかと勧められているそうです。ぜひ挑戦したいと、Kくんは生き生きした表情で小学生、中学生にもわかりやすく伝えてくれました。

子どもたちはすっかり社会人らしくなった先輩の姿にみんな憧れのまなざしでした。時間があれば冬にまた来てくれると約束してK君は早めに帰りましたが、仕事を始めて忙しい中、元気塾のために時間を作ってくれたことをとても嬉しく思います。

2日目も子どもたちはしっかり宿題を進め、帰りの会では、夏休みの宿題がほとんど終わった、全部終わった、分からなかったところが分かるようになった、と嬉しそうな顔で話す子がたくさんいました。小学生も中学生も先生たちと和気藹々と話しながら元気塾らしい雰囲気の中で学んだ2日間でした。こうして第11回元気塾は無事終了となりました。

北海道の発表によると、2018年6月14日現在、道内の避難者数は1,755人で、母子避難のまま頑張っておられる家庭もまだまだ沢山存在しています。原発事故から8年目となる中で元気塾に参加すること、友達と再会することを楽しみにしている子どもたちの気持ちを大切にしてあげたいと思います。
有志の先生たちはじめ今回もこの活動を支えてくださった多くの方達に心から感謝を申します。


夏休み活動報告④ サッカー保養交流合宿「第5回キヨマップFCプロジェクト」 8/03〜8/08

2014年から福島県川俣町の川俣中学校サッカー部と北海道岩見沢市栗沢町の栗沢中学校サッカー部との夏休み交流合宿「キヨマッププロジェクト」がスタートしました。放射能の汚染を気にせずに北海道で思いっきりサッカーを楽しんで欲しいという願いで、栗中サッカー部保護者会が中心に実行委員会を結成し、みみすまも立ち上げから一緒に活動してきました。

昨年から川俣中学校サッカー部は残念ながら休部になりましたが、一年に一度、夏は北海道に集まって大好きなサッカーをしながら仲間との交流を深めようということになり、この合宿は『キヨマップFCプロジェクト』へと進化を遂げしました。

8月3日(金) 1日目
<午前> 新千歳空港 出迎え

川俣側保護者の窓口をされているお母さんの引率で懐かしい顔ぶれが無事到着しました。子どもたちは「ただいま〜」と言いながら笑顔で挨拶。毎年欠かさず参加してくれる少年たちも高校生になってすっかり大きくなりました。第1回から参加しているメンバーはこの春高校を卒業して社会人になりましたが、そんな自分達をぜひ見て欲しいと若者たちはスーツ姿で登場し、受け入れ側の大人たちを感動させてくれました。

今回は川俣サッカースポーツ少年団の畑監督のご紹介で、福島市のクラブチーム『フォルテ福島』の中学3年生たちも参加しました。お揃いのポロシャツ姿が格好いい少年たちも加わった一行24名は、キヨマップの木種事務局長が自ら運転するマイクロバスに乗り込んでいよいよ合宿がスタートです。

8月4日(土) 2日目
午前中、栗中にて初日練習を行ったメンバーは、午後から小樽水族館へ。
今年の春から札幌の会社に就職した川俣のY君も初日の夕方から合流して久しぶりに川俣の仲間たちは盛り上がっていました。

8月5日(日) 3日目
<午前> 深川監督サッカー教室  栗沢中学校グラウンド

午前中はキヨマップFC総監督の深川友貴さん(元コンサドーレ札幌)のサッカー教室です。
栗中のグラウンドに集まり、最初に栗中サッカー部の沼崎先生が挨拶。
ウオーミングアップはフォルテ福島がいつも行っているリズムダンス。
ラテン音楽に合わせて軽快に踊る少年たちのウォーミングアップ方法は斬新でなかなか楽しいものでした。

ウォーミングアップをすませてからは深川さん主導で練習を行いました。試合を意識した練習というよりは、どちらかというとコミュニケーションや雰囲気を重視した練習方法でしたが、3つの異なる地域のメンバーはどんどんうち解けていきました。
北見市から来てくださった特別ゲストの大森達也さん(メディカルフィットネス)も午前中の練習から全て一緒に参加してくださいました。
みみすまからは札幌に帰省中の大学生Mくんが学生ボランティアとして初参加。この日から3日間一緒に過ごしました。



<午後> 札幌ドーム試合観戦 「コンサドーレ札幌  ×  柏レイソル」
学校のシャワー室で汗を流したみんなは、マイクロバスに飛び乗って栗沢町から札幌市へ。
札幌ドーム内で自由にお昼を食べ、来場者にプレゼントされたシャツに着替えて試合観戦を楽しみました。
この日は残念ながらコンサドーレが負けたため、終了後に選手との交流は上手く叶いませんでしたが、札幌ドームでのプロの試合の雰囲気を堪能してくれた様子でした。札幌ドームに招待したみみすまに対して、最後にフォルテ福島のキャプテンが皆さんを代表してお礼を述べてくれました。

フォルテ福島は2011年に原発事故がおきて野外での活動が出来なくなった状況の中でなんとかサッカーを続けたいと願う3人の少年たちと共に2012年に創立したクラブチームです。今回やって来た少年たちがその第1期生で、引率された佐藤監督(代表)が「こういう交流の和に加えていただき、1期生たちは卒業前の良い思い出になりました」と感謝されていたのがとても心に響きました。


8月6日(月) 4日目  Kiyomapカップ サッカー大会
午前中から大会が開催されました。空知地区で好成績をおさめている南幌中学校サッカー部も加わり、前日とは打って変わって本気モードでした。普段は対戦することのない相手と試合をすることで、相手の出方を窺い展開に応じてプレーを選択することができ、これもまた選手にとっていい経験になったはずです。一つのボールを通じてのコミュニケーションは、次のカテゴリーに進んだ時に大いに役立つものです。順位発表や優秀選手発表も行い、選手に景品を贈呈したことで盛り上がったのも印象的でした。(報告:Mくん)

8月7日(火)〜 8日(水) 5日目6日目  帰路変更
順調にスケジュールをこなしていましたが、台風の影響で帰りのフェリーが欠航となりました。そんなトラブルも栗沢のスタッフの皆さんが連携を取り、冷静に対処してくれました。道南の函館まで陸路で4時間の道程をマイクロバスと乗用車で送ってもらった一行は、函館駅からJRで福島へと帰ることができました。新しい仲間が加わり、今年も数々のドラマが生まれたキヨマップFCプロジェクトは無事終了しました。
栗沢関係者のみなさま、深川監督、大森さん、大変お疲れさまでした。キヨマップを応援してくださる沢山のみなさま、ありがとうございました。


夏休み活動報告③ 根本塾・北海道保養合宿 in 別海 7/31~8/04

根本塾は福島県郡山市にある私塾です。
主宰する根本淑栄さんは自宅横に建てたログハウスで地域の中学生の教育を塾というスタイルで支えてきました。
2011年3月、原発事故による放射性物質拡散被害の事実を知ってからは塾生たちを誘って会津に一時避難もしました。
それからは子どもを育てる一人の母として、被災地の大人として、いかに放射能被害が酷い状況なのかを訴える活動もされています。

子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト(通称:こどけん)
http://kodomo-kenkotomirai.blogspot.com/

みみすまは前身のむすびば時代の2011年10月から福島県通いをはじめましたが、その活動の中で根本さんとの出逢いを得ました。
塾生をなんとか被ばくから守りたいと願っていた根本さんは、継続的に受け入れてもらえる夏休みの保養先を探していました。
ほっこりプロジェクトのリーダーをされていた北海道別海町の本覚寺住職の加藤さん(当時は副住職)と根本さんが出逢ったのは、2015年6月に福島県二本松市で開催された保養や移住の相談会(主催:311受入全国協議会)でした。
加藤さんはその場で直ぐにご自分のお寺の婦人部に電話をされて内部的な了承を得てくださり、それから2ヶ月後に根本塾の別海保養が初めて実現しました。

みみすまは根本塾の別海保養のアドバイザーとして毎年協力しています。
2016年の夏休みには札幌2泊、別海3泊の特別合宿も行いました。

例年は中3受験生の夏期合宿でしたが、道東の自然の豊かさや別海の人々との温かな交流が塾生たちの間で評判となり、今年は初めて1年生から3年生まで引率含め17名が飛行機(福島空港→新千歳空港・乗換→中標津空港)でやって来ました。
3泊4日の期間中、子どもたちはよく学び、よく食べ、様々なことにチャレンジして心身共にリフレッシュできる日々を過ごしました。
また今年も地元の人達向けに被災地の現状を知っていただく根本さんのお話会が催され、受け入れ側との相互理解も深まりました。

今年の受け入れは例年の倍近い人数となり、本覚寺さん側は大変お疲れさまでした。
根本塾では9月8日に郡山市の地元で塾生達の保護者向けに別海保養合宿の報告会も予定されています。