11月18日(土)

福島県郡山市の市民文化センターで、「2017年冬のほよーん相談会」が開かれました。みみすまは冬の保養プロジェクトで協働するほっこりプロジェクトさんと一緒に「ほっこり・みみすま」ブースとして参加しましたが、この報告を書いている私(米永)にとっては初めての現地相談会でした。

ほっこりさんでは、北海道各地からこの日到着した4人のメンバ―が相談に対応しました。テーブルにつく家族は途切れることがなく、いちどに3組が席につくこともあり、この日相談を受けた家族は合計35組となりました。「ほっこりさんにまた会えるかなと思って来ました」というお母さんと娘さん、「札幌でも雪遊びができますか」というご夫婦、ほとんどが小さな子どもさんのいるおうちで、会場に来て同じ幼稚園や保育園の保護者の方同士が会う姿もたくさん見られました。質問の内容も、それに対する回答も要点を踏まえた簡潔なやりとりになることが多く、相談会の回数が積み重ねられてきたことを感じましたが、その一方、普段の生活での心配事についてじっくりお話をしていく方もあり、被災地で暮らし続けることの不安が解消に向かっていないことも同時に伝わってきました。

今回も北海道からは札幌地区連合会さん、自然食品店「らる畑」さんや有機農業の農家さんたちが来場者さんへのプレゼントして野菜の支援を下さいました。山口県から届いた野菜も合わせて丁寧に小分けされた安心野菜のおみやげは、いつも大変喜ばれています。

※来場者総数 70家族、138名

(郡山市48家族、福島市7家族、いわき市6家族、本宮市2家族、白河市1家族、田村市1家族、棚倉町1家族、須賀川市1家族、矢吹町1家族、桑折町1家族、二本松市1家族)

そして今回は、これまでの「ほっこりプロジェクト」に参加した家族が集まる「ほっこり同窓会」が相談会の後に企画されていました。参加は全体で大人22人、こども24人の計46人。少し遅れて同窓会会場にみみすまメンバーが到着したときには、子どもたちは子どもたちのテーブルで、大人は大人のテーブルで、まさに「同窓会」の雰囲気が和気あいあいと盛り上がっていて、同じように北海道での保養を経験した家族同士が、思い出話に、最近の状況に、と最後まで話は尽きることがありませんでした。

 

11月19日(日)

午後は、いわき放射能市民測定室「たらちね」さんの活動報告とフリーライター吉田千亜さん(「ルポ母子避難/消されゆく原発事故被害者」著者)の講演会が企画されていました(「原発事故から7年目の今を考える いのちと希望の全国交流会/『市民による測定』からわかること、考えること」)。この日の午前中、ほっこりプロジェクトさんは吉田千亜さんと郡山在住で放射線量の測定を続ける根本淑栄さんにお願いし、ホットスポットファインダーを使用した線量確認のスタディツアーを企画され、私も参加させていただきました。

ホットスポットファインダーにつながれたタブレットに表示される線量は、国の除染基準である0.23μSv/h(0.23毎時マイクロシーベルト)を越えると数字が赤くなります。そういう場所は探すまでもなく、ショッピングモール前のベンチでも、バス停でも、そして小学校の通学路でも、0.5、0.6…高いところでは1μSv/hを越える場所が至る所にありました。測定を続けている吉田さんや根本さんは、数値を見ながら「ここは新たに除染したようだ」「ここは以前除染したがまた数値が上がり始めている」という移り変わりや、線量の高くなりやすいポイントを的確に教えて下さいます。北海道では通常0.03程度、郡山も事故前は同じくらいだったというのですから、たとえ除染基準に満たなくても、今の線量は事故前の何倍にも、場所によっては何十倍にもなっているのです。

自分の足で歩き、自分の目で数字を見ると、バスを待っている間にちょっと腰掛けるかもしれないベンチの周りで、子どもたちが毎日毎日通る通学路で線量が高くなっていること、そしてよく言われることですが、それが目にも見えず、匂いもなく、音もないという怖さがじんと響きます。

今回のスタディツアーでは、開成山公園という大きな公園の線量も測定に行きました。開成山公園は、札幌でいうと円山競技場のような野球の できるグランドがあったり、その周りは誰でもジョギングや散歩ができるコースになっていて、池や遊具もあり、休みの日に家族でちょっとお出かけ、というときにぴったりの場所のように見えます。この開成山公園も震災直後はかなり線量が高くなり、今もまだ下がりきらない場所があちらこちらにあるため、吉田さんや根本さんは定期的に測定を続けているとのことでした。

なによりもショックだったのは、除染後の汚染土が詰められたフレコンパックが、「中間貯蔵施設まで運ぶための一時保管」としてこの公園の一画に何十袋も置かれていたこと、そしてその置き場のすぐ隣が小さな子どものための遊び場だったことです。ここに、ベビーカーに乗せてきた子どもを下ろして遊ぶ親子が「当たり前」のように何組もいました。さすがにフレコンパックが置いてある場所は入れないように囲ってありましたが、囲みのすぐ横にしゃがみこんで草をいじる女の子に、お父さんは何も言いません。でも、私も、もしここで暮らしていたら「どうしてみんな遊んでいるのに、うちはだめなの?」と言うであろう小さな娘に、あれもこれも「ダメ」と言いつづけることはできないと思います。

郡山と札幌、駅前や住宅街の雰囲気だけだと何も変わりません。「普通」に暮せてしまう環境の中、保養に出かけたり毎日の食べ物を気遣う意識を持ち続けるには、とても強い意志が必要だと思います。また、そういう心配事や不安を言葉に表すことも、大変な勇気がいるに違いありません。そうやって頑張る現地の方々の、少しでも力になれるなら、私だって一緒に頑張ろうと、改めて強く思う郡山での2日間でした。

[報告:米永明恵]